OPUS JAPAN 2020SS SILK T-SHIRTS

SELECTIONS 2020.03.14

これまで定番アイテムとしてリリースしていたウールTシャツを一新し、新たな提案としてプロダクトを作りました。

最高の肌当たりを実現する、”シルク100%Tシャツ”です。

自分たちが着たいものですから、前回のプロダクトを超えるくらいいいものを作りたいということで、服のイメージを膨らませ、デザインを起こし、使用する生地を慎重に選定しました。

まずは生地から。
今回はシルクフライスを採用しました。

京都を拠点に高品質なシルク製品、生地を提案される松村株式会社さん。

元々はシルク糸の販売を中心に、その後多岐に渡るシルク生地を提案されています。

今回ご用意した3色、ブラック、グレー、ブラウンのどれもがメランジ調の色目です。
糸の状態ではなく、その前の棉の状態で染めることで霜降り調を実現しています。

中国の突出した高クオリティの工場で糸を紡ぎ、その絹紡糸を日本で編み立てています。

この写真がスライバーと言われる、糸になる前の状態でして、

この状態から、何度も重ね合わせ引き延ばす工程を経て、最終的に撚りを掛けることで糸になります。

日本では生糸が主流で高価なものとされていますが、絹紡糸はより多くの工程を経て肌なじみの良い糸に生成されます。

天然繊維100%で作るので、縦にも横にも伸縮性のあるフライス編みが一番適していますが、とても薄く透けてしまう製品がほとんど。

今回のシルク生地は、肉感を保ちつつ肌当たりがとても良い、これからの季節にぴったりの素材です。

デメリットとして絹紡糸は、工程上節、ネップ、夾雑物（飛び込み）などが多少入ってしまうことがあります。

非常に多くの生地サンプルをご用意いただき、生地や糸の説明をされる
”シルクの伝道師”こと松村幸一郎氏。

シルクの都、京都の老舗、松村株式会社のシルクフライスと出会い、一目惚れに近い感覚で生地を決めさせていただきました。

次に、服のパターン（型紙）を作成します。
トワルを組み、試行錯誤を繰り返しながらシルエットを精査しました。

シルエットが決まり、その後縫い方や糸の色など細かい所を決め、サンプル作成を経て量産へ。

生地、パターン、品質表示などを揃えて縫製工場に送ります。

サンプル製作、量産製作を共に担当していただいている工場は、
東京、墨田区に事務所を置き、秋田県大舘市に工場を持つ、株式会社ZOOMさん。

カットソーから布帛まで、幅広いアイテムを中心に生産されています。

”お客様と「共に考え」「共に挑戦し」、そして「共に感動をする」”

こちらをモットーに、縫製だけでなくパターン製作をはじめ、生地や附属品の手配から裁断、縫製、二次加工、仕上げ、納品と一貫した体制を整えていらっしゃいます。

一般的に言われているライン生産ではなく、班のような小さなの単位のチームを作り、一人ひとりの縫製職人が数種類のミシンを使うという、多能工でプロフェッショナルな生産体制をとっています。

「小ロット、かつ、多品種の生産を続けてきた結果、技術・知識・経験が豊富な職人が育ち今のズームが存在している。」と加々村氏。

カットソー工場としてスタートされましたが、現在ではボトムス、裏付きワタ入りの布帛コートにまで、幅広く対応されています。

製品染め、製品洗い等の加工も取り扱うため、縮率を加味したパターン製作・縫製も得意としています。

丁寧な縫製はもちろん、生産スケジュールなども含め、私達のモノづくりを実現する上で、無くてはならない存在です。

今回使用したシルクの生地は非常に柔らかいため、縫うのが難しく、繊細な縫製が必要とされます。

職人さんの長年の経験や知識をお借りし、私たちだけでは判断できない縫製仕様や、仕立てを教えていただくことも数多くあります。

一着の服は、裁断、縫製、仕上げ、検品などの工程を経て、はじめて製品となります。

そして、その全ての工程には職人さんたちが必要です。
それぞれの職人さんの感性が交わり、一着の商品に魂が注ぎ込まれます。

そうやって最高の一着が生まれるのです。

”誰” のどんな ”こだわり”で作られたアイテムか。

デザイナーやブランド名に隠れて、決して表に出ることがない生地屋さんや縫製工場さん。

押し付けがましくて申し訳ないのですが、作られる背景のことも一緒に紹介させていただきました。

買ってくださった皆様が、そこに袖を通すたびに、特別感や高揚感を持ってくださると嬉しいなと思っています。

OPUS JAPAN

原料は中国産の絹紡糸を使用し、日本で編み上げたシルク100%のTシャツです。

シルクは、細い糸が織りなす薄い生地が多いことから耐久性を懸念される方も多いと思いますが、引っ張り強さは羊毛や綿よりも大きく、繊維の中では強靭な部類になります。

吸湿性に優れていて放湿速度が高く、保温性にも優れた繊維で、軽やかでとても肌当たりの良い生地です。

しなやかな特性を持ちながら、「冬は暖かく、夏は涼しい」快適な天然シルクを使用しております。