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PJ.Antique Jewelry

Chapter.1 Tiffanyとの出会い

私はティファニーにあまり良いイメージを持っていませんでした。
1970年代初頭に三越日本橋店にティファニーが出店され、エルサ・ペレッティやパロマ・ピカソがデザインする女性らしいティファニーが国内で流行し、
「女性にあげるプレゼントはTiffany&Co」。

これが少し前までの国内でのティファニーのイメージであり私が興味を持たなかった理由でもありました。

初めてアメリカに行ったときに、ニューヨークのラルフローレンの店員数人がIDブレスレットとシグネットリングをつけていて、それらがティファニーだと教えてもらい驚きました。
そして滞在中にたまたまセカンドショップで見つけた、真っ黒にくすんだ傷だらけのティファニーのID ブレスレットが私が初めて購入したティファニーです。
(当時、今では想像できないくらいの価格でフリーマーケットやセカンドショップで販売されており、雑に扱われていたのを覚えています。)

それから興味本位で調べてみると、アメリカのラッパーやストリートカルチャーでティファニーが一つのステータスになっていることを知り、それから少しずつティファニーに興味を持ち始めました。その後は、元々ヴィンテージが好きなこともあり、長い歴史や古いティファニー製品にのめり込んでいきました。

フリーマーケットやセカンドショップ、遺品セールなどをまわり品物だけでなく情報を集めました。

その頃、国内のセレクトショップでヴィンテージティファニーというカテゴリーはあったものの、80年代90年代の可愛らしいものが多く、正直魅力を感じることができませんでした。
男性的な古いティファニーを国内でもっと広めたい。と思いそれが仕入れを始めたきっかけです。

Chapter.2 Tiffanyの魅力 価値観

ティファニーアンドカンパニー(以下ティファニー社)の長い歴史背景とジュエリーのデザインが魅力だと思います。
1837年に創業し今日までとても長い間、ティファニー製品を生み出しています。
そしてティファニージュエリーは ファッショナブルであり、進歩的で、また斬新でありながら、時代を超えたモダンなデザインを絶えず守り続けています。

銀器がティファニー製品を世に広めるきっかけとなるのですが、そこで認められたのが装飾美術と精度の高さです。ティファニー社はアメリカの歴史あるジュエリーブランドとして断固たる地位にありますが、これは150年以上前から時代に合わせたデザインを考え、クラフトマンシップを持った職人たちが作り上げてきた結果だと思います。

ティファニーのジュエリーデザイナーというとエルサ・ペレッティやパブロ・ピカソ、ジーン・シュランバーゼーといった著名なデザイナーの名前が上がります。
上記デザイナーの作品もデザインによってはオールドやヴィンテージという括りに属し素晴らしいものを世に残していますが、私がより魅力を感じるティファニージュエリーは国内ではあまり知られていないデザイナーや世間に知られることなく物作りをしたクリエーターの作品が多いです。

Chapter.3 Tiffanyの歴史

・1870年代から1880年代にアメリカのジュエリー市場を席巻したジャパネスクティファニー。この頃のティファニーのデザイナーはエドワード・C・ムーアです。
1850年代に日本が開国すると、日本の金工や陶芸などの日本美術が西洋に広まりました。そのデザインは当時のティファニーアンドカンパニーに大きな影響を及ぼし、ジャパネスクティファニーは1870年代の代表作となりました。

・国内でも人気があるヴィンテージのシグネットリングとカレッジリング。これらの作品には担当デザイナーの記録は残していません。ですが膨大な数のドローイング(デザイン画)と、それに関わったと思われるクリエーターのサインが確認できるものもあります。

・ティファニーは1875年の万博博覧会でジュエリー部門で金賞を受賞しヨーロッパへビジネスを広げます。それと一緒に製品の制作をアメリカだけでなくヨーロッパ各国で行うようになります。主にヨーロッパでは銀器や陶器の生産が有名ですが、1930年頃からは徐々にヨーロッパ製のジュエリーも増えてきます。ここで面白いのは製造国のデザイナーや作業場が関わっているケースが多いということです。フランス製のティファニージュエリーにはヴァンクリーフ・アーペルやブシュロンのジュエリーを担当したデザイナー、アンドレ・ヴァソットの工房で作られたものなどが存在し、デンマーク製のティファニージュエリーではジョージジョンセンと深い関係を持つデザイナー、アンドレアス・ミケルセンやハンス・ハンセンがデザインしたものがなどが存在します。それらのジュエリーにはデザイナーの色が大きく影響しており同年代にオリジナルで発表したデザインに酷似しているものや、全く同じデザインで刻印だけがティファニーネームに変更されているものがあります。その他にも西ドイツ製やフィンランンド製、イギリス製など色々な国で製造されたティファニージュエリーが存在しますが、それぞれに特徴があるデザインをしています。

・アメリカ国内で製造していたジュエリーも作る製品に合わせた工場を選び生産を行なっていました。有名な所ではR.Blackinton&Co、Thomae&company、Later&Sonsと言う国内でも有名な企業に依頼していました。

ティファニーの長い歴史の中には、物作りに関わった大勢のデザイナーや企業、小さな工房、職人などが存在します。これは自国、自社生産にだけに拘らず、ビジネス的な物作りだったのかもしれません。ですがヴィンテージジュエリーという観点から見ると、結果として現代程の生産数は無いうえに他のブランドには無い豊富なデザイン量や歴史背景があり、また良質なジュエリーを提供し続け今のTiffany&Coというブランドの立ち位置を築いたのだと思います。

Chapter.4 Jewelryへの想い

アクセサリーを身につけることには人それぞれ意味があると思います。
私が考えるヴィンテージジュエリーの理想とは永く時を一緒にできるものです。
単にファッションアイテムというだけでなく、自分のアイコンのようなものです。
衣類や靴、眼鏡に比べるとジュエリーの寿命は永く、銀製品や金製品は修理することも可能です。そこで重要なのが、そのものに対する自分の価値観です。
勘違いしないで欲しいのは、(古ければ良い)(希少なものが良い)と言うわけではありません。今の時代はネットで色々な情報を得ることができる反面、情報に希少性や価値観が寄ってしまう傾向があります。そのもの自体を知り、本当に気に入ったものを選ぶ。
これがヴィンテージティファニーをはじめヴィンテージジュエリーの楽しさでもあると思います。

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