写真と狼。Q&A

PHOTOGRAPH and WOLF 取締役社長 / アートディレクター / Akira Nagashima
Interview
Q1. 写真を撮り始められたきっかけについて、お差し支えない範囲でお聞かせいただけますでしょうか。
僕はグラフィックデザイナーという職業柄、写真を扱うことが多かったんですが、撮影のディレクションをすることはあっても自分で熱心に写真を撮ることはなかったと思います。20代の頃はコンデジを持っていましたが、記念写真的なものを撮るだけで。パソコンに向かって仕事してビルの中で打ち合わせして夜は飲み屋で酒を飲んで。日々室内で過ごしていて、季節を感じることを一切してこなかったことに、40歳くらいの頃ふと気づいてしまったんです。これはイカンと。
そこで、山に行って登山をしたり、海に行ってカヤックをしたりして、週末くらいはなるべく外へ出て季節を味わおうと。写真を熱心に撮りだしたのはその辺りからです。アクティビティのマイブームはいつの間にか去って、写真の方が残ったという感じです。
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Q2. 日々写真を撮影される中で、特に大切にされていることや意識されている点がございましたらお教えください。
意識している細かいことは色々ありますが、人様に共感とか感心してもらえるような立派なマインドを持って写真は撮っていません。購買とか共感とか伝達とか、そういう目的を持たずに写真を撮っていて、撮った写真を何に使うとか誰に見せるとかっていうことではなく、撮ること自体が目的でありゴールになっている感じです。そういう意味では、商業写真のように目的を持った写真とはまったく違う写真を撮りたい、ということを一番意識しているのかもしれません。せっかく経済に囚われずに写真を撮るなら「誰に何のために」という枠組みから逸脱して、自分がぐっとくる写真だけを追い求めることに集中したい。そう考えています。
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Q3. オールドレンズと現代のレンズそれぞれの魅力や、使い分けについてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
オールドレンズは描写うんぬんの前に見た目がいいですよね。昔の方がよかったという言い方は好きじゃないですが、カメラもレンズも古い方がデザインに趣があるのは否めない。古いレンズは外観とか手触りとかが現行のものとは違って愛着が湧きやすく、気に入った機材を使っていると撮影も楽しい。古いレンズは現行レンズにはない描写の欠点があって、それもまた愛嬌があっていいですよね。
僕の場合、オールドレンズを含むマニュアルフォーカスのレンズが好きで、自分に合うものを探して色々試してきました。現在手元にあるのは14本のマニュアルレンズと1本のオートフォーカスレンズです。唯一持っているオートフォーカスレンズはソニーの40mmで、これは愛犬の撮影用です。
撮る対象が何かで事情が違ってくるのは当然のことですが、個人的には特殊な例を除けば、マクロ、暗所、深度、ゾーンと思い通りの調整がしやすいマニュアルの方が多くの場面をカバーできると考えています。
ただし、この撮影ならオールド(マニュアル)この撮影ならオートという使い分けは「絶対」でなく、描写についてもフィルターやライティングや現像という手段もあり、撮り手の技量でどうにでもなると考えています。シーンに対する向き不向きは多少あるにせよ、自分にとっての向き不向きの方が選ぶ基準になると思います。
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Q4. ライカをはじめとする海外製カメラと、日本製カメラそれぞれに対する印象や魅力についてお聞かせください。
日本人なら国産のカメラを使いたいですよね。と言いつつ「これだ!」というカメラになかなか出会えないのが悩ましいところです。デザインと操作性にオリジナリティのある海外製は中身が不安定だったり、国産は「どうしてこういう形状になったの?」というメーカーの事情が垣間見えるデザインばかり。どれもこれも一長一短です。
ライカ、ソニー、パナソニック、ニコン、フジフィルム、オリンパスといくつかのメーカーのカメラを使ってきて、正直に言うと「どれもこれも一長一短」です。M型ライカのシンプルなデザインと操作性は抜群で、ニコンのファインダーは秀逸で、オリンパスの小型軽量ボディは快適で、という感じでそれぞれの長所が1つのメーカーに集約されないところが歯がゆいところですね。
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Q5. 現在お使いの中で、特にお気に入りのカメラやレンズがございましたら、その理由とあわせてお教えいただけますでしょうか。
最近よく使っているカメラはFUJIFILM X-E4、CCDコンデジのLUMIX LX3とRICOH GX200です。X-E4に組み合わせるレンズはTTArtisan 23mm F1.4 CとVoigtlander NOKTON Classic 35mm F1.4が多いです。CCDセンサーが書き出すRAWデータがちょっとしたマイブームで時々Nikon D3000を使ったりもします。飽きやすいので、しばらく経ったら違うものを使っているかもしれません。重たいカメラやレンズが好きじゃないので、軽量コンパクトのこだわりは一貫している気がします。
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Q6. 現像・編集において、意識されているポイントや工夫されているテクニックがございましたらお聞かせください。
コントラストが高くシャープな写真が好みなので、少し前までは現像も強めに調整することが多かったんですが、最近は彩度が上がりすぎないようコントラストや明瞭度を下げることも多くなりました。写真好きの人たちが好きな「フィルムライク」は僕も好きな方で、現像では無意識にアナログ的な雰囲気を追い求めているような気もします。
写真を沢山撮る人なら共感してもらえると思いますが、撮影と同じく現像についても自分の中にムーブメントがあって、その影響をもろに受けますよね。どんなに好きなことでも、同じことの繰り返しだと必ず飽きますからね。だから時期によって現像の仕方が結構違う。昔の写真を見ては「今ならこういう色では現像しないな」とか、そんな感じです。でも自分では結構違うと思っていても、他人から見ると「同じ」に認識されることが往々にしてあります。それは、どんな現像をしても自分というフィルターを通して写真になるので、細かな違いはあれど「概ね同じ」になるのかもしれません。
ポイントがあるとすれば、現像ではアプリケーション任せの「オート」にしないこと。いま自分の中でホットになっているムーブメントに身を委ねること。時が経って再現像できるようにRAWデータを残しておくことです。
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Q8. これまで撮影された作品の中で、特に印象に残っている一枚やお気に入りの一枚がございましたら、その理由とあわせてお教えください。
沢山撮ってきたので1枚というのは難しい質問ですが、思い当たるのは小さな写真集にした「Nostalgia」というシリーズ作品です。「PENTAX auto110」という1978年に発売されたオモチャのように小さなフィルムカメラがあって、そのレンズを使って撮った作品です。マイクロフォーサーズのデジタルカメラPEN-Fに自作のマウントアダプターを使って収差や欠落を意図的につくり出すという少々乱暴な撮り方をしていて、これがまた何とも言えない風合いの写真が撮れていい感じなんです。現実のような、夢のような。
僕はリアリティを写真で再現することにあまり執着がないんですよ。現像した写真が実際の色と違っていてもまったく気にならないし、広報や報道目的で写真を撮っているわけじゃないから。ただ、空想の絵画ではなく写真である以上、現実世界との接点は切り離せない。事実と架空の間を彷徨っているのが写真の面白いところだと思うんです。そういう意味では、この「Nostalgia」はノスタルジックな風合いというだけでなく、写真表現の強みが色濃く出ているのかな、と。また挑戦したい作風でもあります。
BLOG 写真と狼よりhttps://photograph.g-egg.net/
今回の展示について
デジタル画像をプリントすることで、写真がイメージ画像から物質に変わる。
損傷したり色褪せたりと物質として抗えない宿命を背負うことになるが、紙にプリントされた写真は画面の解像度や性能に依存することのない固定された価値を持っている。
プリントされてはじめて「自立」するとも言えるだろう。あらゆる物事がデジタル化される時代の中で、物質が持つ価値を再認識する。プリントされた写真はそういう機会を僕らに与えてくれる。
「カセドラル(CATHEDRAL)」は、希少なヴィンテージファブリックを使ったリメイクや職人によるハンドメイドの作品を多く扱う大阪のセレクトショップだ。
お洒落な服と無縁な僕のような人間には立ち寄り難い「デザイン感度が高い人たちに愛されるお洒落さんの店」である。しかし、有難いことにこのブログからオファーをいただき、GW(4月29日〜5月10日)に写真の展示販売をさせてもらうことになった。
コラボ企画としてショップオリジナルプリントTシャツも合わせて販売される。


さて、プリントとフレームをどうするか。知人の写真家に相談しつつ数種類の用紙を買い集めてテストする。カラーはピクトリコ、モノクロはイルフォードを使うことにした。

写真を入れるフレームについてはアルナ(aluna)のアルミ製フレームを採用。手触りはmacbookのような金属質で、従来写真を飾るフレームに比べるとかなりストイックでクールな佇まいだ。値段も結構するが、その辺は妥協しない。
写真のフレームについては前々から思うところがあった。展示する、あるいは部屋に飾る写真は、フレームに入れた状態で完成する。白いマットで大きく余白をとって写真がある、というのがよく見かける展示で、それはそれで写真をよく見せる工夫なのだろうと思う。
そういうよくある展示を目にする度に、マットは本当に必要か?余白がない方がフレームと一体化するのでは?という疑問があった。今回の展示ではマットを使用せず、カラー作品については余白のない全面写真にした。作品自体はA4サイズ(2作品のみA2)で縁が狭いフレームを選んだので、マットを使ったものと比べるとかなりコンパクトだ。
マットを使って余白の中に写真を配置すれば写真自体が自立する。一方、今回のような仕様にすればフレームと写真が一体となって自立する。そんなイメージである。
手前のアクリルはUVカット仕様、マットを使わないことで作品の表面が空気に触れることがなく、写真が劣化する原因となる光と空気に配慮している。僕は5月9日(12:00〜18:30)に在店する予定です。お近くの方は、ぜひ気軽に見に来てください!
3MODEL Tsh
できるだけ生の写真に近つけたいという思いがあり、DTF超高画素対応転写写真を採用しました。できる限り高画質にプリントしています。そして、ベースには少し特別な物を使用しております。COTTONY®「手にした瞬間に伝わる感動」LIFiLLのオリジナル素材COTTONY®を採用しているシグニチャーモデルをベースにしております。SM、ML相当となる2サイズ展開です。






- Flamingo
- SIZE / SM . ML (LIFiLLSIZE 2.3) SM肩幅44 着丈68 身幅54 ML3 肩幅50 着丈71 身幅58
- ¥14.300 in tax





- Lotus
- SIZE / SM . ML (LIFiLLSIZE 2.3) SM肩幅44 着丈68 身幅54 ML3 肩幅50 着丈71 身幅58
- ¥14.300 in tax






- Swan
- SIZE / SM . ML (LIFiLLSIZE 2.3) SM肩幅44 着丈68 身幅54 ML3 肩幅50 着丈71 身幅58
- ¥14.300 in tax
展示写真について
写真を入れるフレームについてはアルナ(aluna)のアルミ製フレームを採用。手触りはmacbookのような金属質で、従来写真を飾るフレームに比べるとかなりストイックでクールな佇まいだ。値段も結構するが、その辺は妥協しない。印画紙はカラーはピクトリコ、モノクロはイルフォードを使うことにした。
只今撮影中。4/24UP予定。
- CATHEDRAL 本町
- 大阪府大阪市博労町2-6-4 中島ビル1F
- https://cathedral.jp
- google map
- 【展示期間】 4月29日(水)~ 5月10日(日)
- 【営業時間】 12:00~20:00
- 【在店】 5月9日(土)12:00~18:30