Vintage Rug Event

Floor and Wall
Vintage Rug POPUP 9/13〜9/21
東北沢のクレイジージャーニー、
危険度Level4からのハイパー ハードボイルド DIG。

ちょうどお店用のラグを探していた。
ぶっちゃけラグに関してはそこまで知識がある訳では無く、
どこからがヴィンテージで、何をもって良し悪しを判断するのか、詳しく知らない。
たまに家具屋とか古着屋にもトライバルっぽい物が置いてあるけど、何故か食指が伸びなかった。
基本知らない物には手は出さない。
色柄や雰囲気だけで選ぶのも正解の一つだと思うけど、味わった事のない、
バックボーンを知らずに手を出すのは勿体ない世界が広がっている気がしていた。
買うのならば、出来るだけ上流から買いたい。
私の悪い癖…本物をプロフェッショナルから買いたいのだ。
今回のイベントはFloor and Wall の代表小野氏に手配して頂いた絨毯が40から50枚程やってきます。
外務省が発表している渡航制限区域、危険度4のエリアに精通している小野氏がピックしたラグは、今まで見たきた物とは違っていた。

真っ白な国出身の私には想像のつかない赤さです。
身代金目的の誘拐・政治利用目的の人質リスク。
政府軍と非国家勢力との争い・部族間衝突に巻き込まれるリスク。
旧戦闘地域での地雷・不発弾の危険性。
このような地域では警察・行政は機能不全となっており、
自然災害・戦争・怪我や事故・事件に巻き込まれ時、
大使館や領事、医療施設からの支援は期待できず、常に緊張感が隣り合わせとなります。
私たちの非常時は日常なのです。

しかし人が容易に近づけない場所だからこそ、
市場経済の波に飲み込まれることなく、残り続ける文化資本が眠っているのです。
そもそも、紀元前1000年ごろから中央アジアやアフガニスタンの遊牧民族の必需品だったラグが、
3~7世紀の間、シルクロードの発展に伴って交易品・美術品としての価値に変わり、
その代わりにシルクロードから、インド藍やラピスラズリ、アルメニアのコチニール(虫から取れる赤い染料)など希少な原料と交換し、
ラグは更に優れた芸術的価値を得ることができました。
つまり、侵略や戦争の舞台であるシルクロードと持ちつ持たれつで発展したラグは、争いから現代においても逃れられない定めなのです。

希少で美しい天然染料を用い、綿密な手作業でおられたラグは、
古くなってもなお、煌びやかさをどこかに隠している様な風格があり。
現代のアンティークやヴィンテージといった尺度には収まりきらない価値があります。
今回は小野さんに、玄関、書斎、テーブルサイズ、ソファーサイズ、だいたいは2,30年モノから中には100年ものまで、
大小の日常に使い勝手の良いラグから、希少価値の高いラグ、といった幅広いラインナップで用意していただきました。

今回は、バルーチ、タイマニ、トルクメン、パキスタン、4つの部族がつくるラグでラインナップを構成しており。
それぞれが異なる特徴・魅力を持っています。



バルーチ
アフガニスタン北部・イラン東部を中心として定移住を行う部族。
元来、遊牧体質のある部族であることから織や柄の自由度が高く、多色使いの色彩も魅力の一つ。
現在は定住をしているグループが多く、一口にバルーチ族と言っても、定住地域によって色使いや柄などが異なることが特徴。
色彩は深い赤茶・藍・黒を基調とし、渋く落ち着いたラグが多い。


タイマニ
アフガニスタン西部を中心に暮らすタイマニ族は、
バルーチ族から派生したとも言われる部族ですが、その起源は明確ではありません。
彼らのラグは、やや緩やかな織りによる素朴な仕上がりが特徴で、手織りならではの温かみが漂います。
模様には生活道具や自然物をモチーフにしたオブジェクト柄が多く取り入れられ、
部族の暮らしぶりを垣間見ることができます。
色彩に関しては、古いものほど土や砂を思わせるアースカラーが中心で、
落ち着いた趣がありますが、1990年代以降の作品では赤や青をベースにした鮮やかな配色が多く見られます。
素朴さと時代ごとの変化が表れることで、タイマニラグは「素直な人間味」が感じられる魅力を放っています。

トルクメン
トルクメン族はかつて中央アジアを中心に活動した騎馬民族であり、
現在ではトルクメニスタンからイラン東北部、アフガニスタン北西部、さらに少数がパキスタンに暮らしています。厳格な部族社会を持ち、内部は6つの大きなグループに分かれており、
それぞれが「ギュル」と呼ばれる部族の紋章をモチーフとした絨毯を織ってきました。
ギュルは一種の家紋のような役割を果たし、トルクメンラグを特徴づける最も重要な意匠です。
その緻密で丁寧な織りは世界的にも高く評価され、オックスフォード大学の研究対象にもなっているほか、サザビーズなどのオークションにおいて文化的価値のある工芸品として出品されることも多いです。
現在でもホジャロシュナイやカールモハンマディといった高級絨毯の織り手として知られ、
クラシックな美しさと高度な技術が融合するトルクメンラグは、まさに文化資産と呼べる存在です。
またその緻密で丁寧な織から現代の絨毯市場において
ホジャロシュナイやカールモハンマディなど高級絨毯の織り手として認知度も高い

パキスタン
パキスタンで制作されるラグは、部族ラグ(トライバルラグ)の影響を色濃く受けつつも、
都市部の工房ならではの工夫が凝らされた独自の発展を遂げています。
特にラホールを中心に制作されるものが有名で、部族ラグのギュル模様や幾何学パターンを踏襲しながら、伝統的な部族には見られない豊富なカラーバリエーションを実現しています。
織りは薄手ながら非常に目が詰まっており、軽量で扱いやすい一方、耐久性にも優れています。
さらに毛足が短く、艶のある素材感を持つため、季節を問わず使いやすい汎用性の高さも魅力です。
伝統のエッセンスを残しつつ、現代のインテリアにも調和するパキスタンラグは、実用性と美しさを兼ね備えた絨毯として人気を集めています。


ところどころかすれた様な毛並みが、新品とは違う顔つきです。


特に毛足がしっかりと残っているものは、球数が減り希少となっております。

三角形の紋様が描かれたラグは、礼拝の際に使用されるラグとなります。


チョビと呼ばれる、小さなラグ。
残反を使用して作られています。








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