【OPUS JAPAN】

OPUS JAPAN 2023.04.06

23作品目となるOPJのプロダクトです。

OPJ-023

Flipper pants by Octa®

自分が好きな春の釣りから名付けました。

琵琶湖と大阪を行き来する自分にとってまた一つ新しい宝物が増えました。探してもなかった物。

少し大袈裟だけど…

新しい素材との出会いが、行動を変え、未来を変えて行く。そんな感じ。

OPUS JAPANはオーセンティックな定番を徹底的にリサーチし、最新の素材、または伝統的な技法を用いて自分達の生活の中で “使える” 未来の定番の基礎をつくります。

その試みは非常に実験的なため上手く行かない事も多々あります。失敗は私達自身の糧となるだけではなく、川上（かわかみ）にフィードバックする事により次に繋げます。

要は進化の過程です。とは言え、今回はまあまあ完成度が高いと思います。

4/9 12:00 店頭及びONLINEで販売開始

Octa® × Cool doots®

生ハムの塩気がメロンの甘味を際立たせる。

相反する特性をを持つ物質同士の組み合わせ。

特定の効果を狙うことは食以外でも、様々な分野に置いて確立されたテクニック。

今回使用した素材は２素材、まずは生ハムからご説明致します。

シェル側の素材は、当店でも取り扱いのあるTENーCの素材開発をした日本の会社の生地を使用しました。

（株）コマツマテーレのCOOLDOTS です。最大の特徴は視覚的に目視できるレベルの穴が空いているという事です。

Cool doots®の特性

①通気性

②シワにならない

③超速乾

④ストレッチ性

⑤マシンウォシュ可

⑥超軽量

⑦物理撥水＆撥水加工（LOUTUS）

一般的なスポーツブランドのポリエステル生地と綿生地との速乾性能の比較です。内側の汗も外からの雨も圧倒的な速さで渇くと言う事です。早く乾くと言うことは、熱を奪うという事でもあります。動くと風が抜けて渇きを促進させ熱を奪います。

上記の特性を持つ生地ならいくらでも探せるんですが、重要なのは全ての項目の数値の高さと（⑦物理撥水）目視できるレベルの穴が空いているのに、水を弾く事ができる生地だと言う事です。

強い撥水機能は、米がつかないしゃもじ、焦げがつかないフライパン、ヨーグルトの蓋の裏側、などは全てこの LOUTUS （ロータス）効果の応用です。LOUTUS とは蓮の葉が水を弾く原理の応用です。やはり、全ては自然が教えてくれると言う事。

小学生の時必死に舐めていたヨーグクルトの蓋。最近のヨーグルトは、蓋の裏にあまり付いてない気がする、おそらくはロータス加工の精度が上がっているんです。

最初はCool doots®のシェルでTSHを作成しテストしました。

3月初旬

琵琶湖北湖西岸ライン

気温15℃・小雨・無風・湿度 86%

コンデションはこんな感じ、3月にしては蒸し暑い日でした。

ファーストインプレッションは、マジか、、寒いくらいやな。

何も来てないような軽さと、ボディ前面から風が抜けていくのがわかる。めちゃくちゃ快適でした。

陸っぱりを開始して15分後。少し汗ばんできた時に弱点が判明しました。

なんか動き辛いんです。原因は濡れた生地が体にペタッとくっ付いてくる事でした。撥水はしているし、速乾ではあるんですが、濡れながら走ったり、大量の発汗時にはブリース機能と速乾が追いつかなくなり、ポリエステルが体にまとわり付く事が判明しました。

さらに、防水でなない、穴があいている撥水生地です、当たり前ですが、圧に弱い。要は耐水圧の問題です。ゴアなどの防水性能の物差でもある耐水圧が弱いんです。表面を流すことはできるが、リュックが擦れた箇所や、強い風圧＋水圧がかかると水が侵入してくるんです。

この日感じた弱点は3つ。

自転車程度の風で水が侵入する（シリアスなアウトドアでの使用は不可）。渇きが追いつかず体にまとわり付く（結構、致命的）。体が冷えた汗冷えしてしまった（15℃近くあったが芯から体が冷えてしまった）。

この安易なアイデアのTSHから全ては始まりました。

私の頭にはある素材とのダブルフェイス、要は弱点を補う素材をドッキングする構想が生まれ、この弱点のおかげで COOLDOTS-Tsh は Octa® と出会い進化する事ができたと思います。

COOLDOTSの特性を伸ばし、弱点を補う素材がOcta®

そう…生ハムメロンの法則です。

メロンの方、裏地が主役のプロダクトです。裏地は最近はまってしまった帝人のOcta® です。

既に性能を実感している中綿素材Alpha®の後発になるとおもうのですが、私は進化版として捉えています。

Octa® は元々はインサレーション素材ですが、繊維長を細くし繊維同士を多層構造で編む事で、肌に直接着れる様に、肌あたりを良くしています。アルファダイレクトと比べても肌あたりは遜色ないと思います。

ロフト繊維形状と密度を調整することにより、衣服にした時の重量がさらに軽減されていて、さらに軽量・乾き・抜けも負けてない。最大のメリットは、メイドインジャパンの強み。購入し易く、皆様にとってお買い求めやすい価格を実現できます。

Octa® の中綿としての機能

①速乾性(信じ難い速さ）

②調温性(寒くなくし、暑くない）

③圧縮性(軽さと小さくなる事）

④通気性(見た目通りスカスカなので）

⑤軽量性(ティッシュ位）

まず、この素材が他の素材との決定的な違いは、素材が呼吸するような感覚があると言う事。保温の為の毛足ではなく、②調温性と④通気性に特化した素材だと言う事。

長年パラドックスの関係性が崩せなかった相反する要素、当たり前ですが通気すれば冷えて乾くし、密閉すれば暖く蒸れます。

Octa® は空気接地面積が非常に大きい素材で、極細繊維が重なり合い、非常に多くの空気を溜め込む事ができます。極細繊維は毛細管現象で水分を強制的に吸収し、広い表面積で速乾させます。

（動態時）動けば空気が抜け、渇き、通気し、

（静態時）機密性をあげれば（シェル着用）暖かく、保湿する素材となる訳です。

Octa® によって吸収された水分は、細い道を通り、COOLDOTS®の穴からでていく。穴は服が動く度に空気を呼び込み通気と乾きを促進させます。しかも物理撥水で雨が入らない。COOLDOTS®の外壁に Octa® を内堀。完璧な相乗効果が体感できます。

Flipper（フリッパー）に求めたのは、”調温と通気”。

ある程度の耐水性を確保しながら、服に深呼吸させる。常にドライで超軽量、暑くも寒くも無い服。夏の雨具の弱点（蒸れ）から生まれたアイテムです。

素材

シェル：COOLDOTS®

穴が開いている物理撥水素材。速乾、軽量、通気、撥水を高いレベルで維持できる素材。且つ化繊感は抑え目のマットな面、天然の素材との相性も悪ない物を選びました。

ライニング：Octa®

調温と速乾性能に特化したUL（ウルトラライト）素材。カシミアの様な肌あたりで超軽量、コンパクト。通気・調温・速乾・マシンウォッシュ・ストレッチ性を非常に高いレベルで備えています。新感覚の着心地の素材。

この二つの素材の相乗効果、そしてより機能させる為のデザイン。現状ベストに近いものが出来たと思います。

ディティール&シルエット

Flipper pants

実は2017AWのヨウジヤマモトのギャバのイージーパンツから。自分が1番好きなイージーパンツです。テーパーの角度や、肌から離す分量なんかを参考にシルエットを作っていきました。”太からず細からず” 正確に言うと太いのだが太く見えないパンツです。要は立体的だと言う事、ウエストはバックのみ平ゴム仕様で幅広いサイズに対応、裾はリブに被る事により修理無しでほとんどの方が着用できる様にしました。jacket の様に前から空気を呼び込め無いから、サイドにベンチレーションを設け、腰にはoctaの小ポケットが2ヶ所・中央に大ポケットが1つあります。激しい動きでもなるべく物が動かない位置、大きさを考慮しつつ蒸れた空気を上部から排出する為でもあります。