[IS] Isabella Stefanelli 20SS Vol.3-2

　最終章となるVol.3-2では、 DESIGN とFABRIC にフォーカスして掘り下げていきます。各モデルのルーツと彼女の生地に対する想いの片鱗を感じて頂ければ幸いです。
　偉大なる先人や自身の生き方に影響を与えた人達への敬意を込め、その名が付けられたアイテムが放つ魅力は、生地、デザインと構造、縫製仕様、そして染色といったプロセスの複雑な関わりが生み出しており、それらの裏に潜むコンセプトや物語に起因しています。

　ブランド独自のパターンワークや縫製仕様のベースはそのままに、着実に進化を続け、Handwoven fabric や英国の伝統生地を全く新しい次元に引き上げています。 Isabella Stefanelli のアイテムに施されているテクニックは、基本的にテーラー由来です。中には彼女にしかできない様なオリジナルテクニックもちりばめられています。彼女の独特な世界観は生地から連想する事が多いのですが、着心地やフォルムの素晴らしさは天才的な閃きと熟練のテクニックで支えられています。

モデルAmedeoに採用されている生地は、Snake, Woodpecker と名付けられた2種類の手機生地となります。これらはコレクションのテーマやブランドのアイデンティティとも密接に関わっています。

今回のシーズンから彼女は自身のアトリエに小さな織機を入れました。それによりデザインされた生地は、非常に自由度の高いテクニカルな生地となっています。
技術的なことで言うと共通のたて糸（リネン、ヘンプ）に対して、横糸にシルクやコットン、リネンを通すのですが、その糸の選定や織構造の変化、打ち込みの強さによってバリエーション豊かな柄の生地を表現しています。
これはブログVol.1のコンセプトの部分でも触れた表裏をイメージする2面性やそれらの多様性を表現しており、織物の無限の組み合わせで表現されるテクスチャをSnake(蛇の皮膚)やWoodpecker(キツツキが突いた木肌)に見立ててつけられた名前は、人物を隠喩する際に用いられる動物を用いることで物語に結びつけています。

Model: Amedeo (Woodpecker)
20世紀初頭に活動して多くの逸話を持つイタリアを代表する画家、アメデオ・モディリアーニの名を関するジャケット。
センターフックベントやスクエアなネックライン、ヘムラインが作る直線的なイメージを持たせたディテールとアイテム全体のバランスとしての柔らかな雰囲気、ウエストの革製のドローコードなどがクラフトを想起させる独特のアイテムです。
ジャケットのようでもありカーディガンのようにもシャツのようにも使える、ファッションが便宜上設けたカテゴリーのどこにも属さない佇まいが特徴です。

fabric: Woodpecker （キツツキ）
composition: linen cotton silk hemp woven by Bristol Weaving Mill.

今シーズンも手機生地とイギリスの歴史ある機屋のオリジナル生地の構成です。
中でもブランドのアイデンティティでもあるHandwoven(手機生地)素材です。

Model: Amedeo (Snake)
20世紀初頭に活動して多くの逸話を持つイタリアを代表する画家、アメデオ・モディリアーニの名を関するジャケット。
センターフックベントやスクエアなネックライン、ヘムラインが作る直線的なイメージを持たせたディテールとアイテム全体のバランスとしての柔らかな雰囲気、ウエストの革製のドローコードなどがクラフトを想起させる独特のアイテムです。
ジャケットのようでもありカーディガンのようにもシャツのようにも使える、ファッションが便宜上設けたカテゴリーのどこにも属さない佇まいが特徴です

fabric: Snake (蛇）
composition: linen cotton silk hemp woven by Bristol Weaving Mill.

今シーズンも手機生地とイギリスの歴史ある機屋のオリジナル生地の構成です。
中でもブランドのアイデンティティでもあるHandwoven(手機生地)素材です。

Model: Virginia PA
20世紀モダニズム文学を象徴するイギリス出身の小説家であり、評論家のヴァージニア・ウルフをコンセプトに掲げたモデルです。
ブランドを象徴するシグネチャーモデルとして位置付けられ、定期的にディティールに変化を加えたりシルエットを微調整して発表しているアイテムです。
非常に大きなワンピースのパネルを生かした、独特なオーバーサイズ感を持つパターンメイキングによって仕上げられており、袖付けの位置や、着用時のボリュームの出方や、肩周りのフィット、落ち感などに他のブランドでは見られない彼女の特徴を感じることが出来ます。基本的に裏地なしのアンコン仕立てとなっており、全ての縫製箇所が、フラットウェルトシームで仕上げています。この縫製は基本的に最初にミシンで縫った後に、折りたたみながら手作業によるまつり縫いでウェルトシームを仕上げています。裏無しなので全てをフラットに仕上げています。
　また、裾及び袖先はセルヴィッチを用いていますので無縫製の仕様になっており、それ以外の裁ち切りの箇所は織りの解けを防止するためにほとんど目に見えないハンドスティッチで補強しています。
ここまでで述べたブランドのシグネチャーアイテムの１つであるバージニアのポケットを手縫いのパッチポケット仕様にしたバージョンのものです。
ハンドスティッチで仕上げられる柔らかい丸みのあるポケットはそれだけでアイテム自体の印象を変えています。

fabric: mosqua
composition: linen wool 
イギリス北部に虚を構える moon & sons社のウール/リネンのスーチング素材です。
伝統的な英国生地を思わせるチェック柄の配色をベージュグレーとブルーで作ることで、モダンでソリッドな空気を生み出しています。
ベースの英国羊毛の持つバリッとした質感とリネンの光沢、先染めの糸の配色でモダンなチェック生地に仕上げています。
独特の色味はティーダイによるものです。

Model: Isambard 
19世紀初頭のイギリスのエンジニアであり当時では珍しい大型の蒸気船や鉄道や駅舎のデザイン・設計などに取り組み後世に影響を与えたことで知られるイザンバード・ブルネルをイメージして製作したジャケットです。
　いわゆるジャケット然としたディティールながら、柔らかさと空間を感じるフォルムが特徴のアイテムです。裏地なしのアンラインド仕立てながら決してフラットにならず、羽織った際の随所に空間を感じる構造、袖とボディのバランス、ディティールに見せるハンドスティッチや生地端や縫い代の処理など特別なこととして表現していないことに突き抜けた凄みを感じるアイテムです。

fabric: sowl 
composition: linen wool silk
北イタリアに居を構えるsolbiati 社で織り上げた上質なウール/リネン/シルク素材です。
糸の持つ自然な光沢とクラフト館を感じる生地の節、程よく反発性のあるハリとが特徴の素材です。
独特の色味はティーダイによるものです。

今回の作品と撮影を通して、少しだけ彼女の内側を見せてくれた気がしました。
そしてまたISが好きになった。
どうやったら伝わるのか…
この先は袖を通して頂くしかありません。

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